ホタルクスとLAplust、ゴキブリ自動カウントによるIPM実施の省力化に向けた画像解析AIの応用

株式会社LAplust(ラプラス)*1(本社:長崎県長崎市、代表取締役社長 田中 宏樹、以下、LAplust)は、株式会社ホタルクス*2(本社:東京都港区、執行役員 柳橋 歩、以下、ホタルクス)と協働で、ビル内のサーバや冷凍庫の熱交換部にて小型カメラで撮影した画像からゴキブリ(成虫・幼体)をAIで検出する技術実証を実施したことをお知らせします。

IPM(総合的有害生物管理)とは
IPM(総合的有害生物管理)は、ビル管理において重要な考え方で、人の健康へのリスクや環境への負荷を最小限に抑えることを目的とした害虫の管理を行うことを指します。この管理手法に則ることで、防除計画の立案や防除実施後の効果確認を適切な手順で進めていくことができます。

実証現場 ビル内に設置されたサーバーや厨房機器の廃熱部【閲覧注意】

現場に小型カメラを設置し画像を取得

実証について

課題
・ゴキブリがサーバーや厨房機器の熱を持つ暖かい場所を好み、巣を作る。
・巣ができると電子機器の不具合や衛生上問題になりやすい。
・ビル管理や食品衛生の観点からIPMに則った適切な管理・観測が求められているが人材が不足している。

現況
現場に仕掛けたトラップを人が巡回・目視で観測し、IPMに則りモニタリング・防除計画・防除実施・効果測定を行っている。モニタリング・効果測定の目視巡回をAIカメラに置き換え省力化を図りたい。

実証に用いたデータの例
初見では見た目で対象物を見つけることすら難しい画像も含まれる。この中から幼虫と成虫を見つける。

学習に用いたデータ
左:成虫4匹、右:幼体3匹,成虫2匹

解決策
LA-Eye(エルエーアイ)*3で構築した画像解析AIによるゴキブリの検出や自動カウントを行い、IPMに則ったモニタリングを自動化することで防除適期の判断、防除の効果測定を自動化する。

解析結果の例【閲覧注意】
LA-Eyeを用いてサーバや厨房機器に設置した小型カメラにより撮影した画像からゴキブリの成虫と幼体を検出するための「ゴキブリ検出AIモデル」を構築し、人の目でも見落とす可能性があるゴキブリを含む複数の画像に対して、適切な検出とカウントが行えるか解析を実施した。学習に用いた画像は合計で123枚。(提供元:ホタルクス)

LA-Eyeで構築したAIモデルがゴキブリを検出した様子の一例
それぞれ適切な検出ができることを確認(一部、見落し有)

学習時のLA-Eyeの画面(順調に学習が進捗している)

mAP=0.24前後となり、実用にはまだ達していないという結果を示し、今後の追加学習で十分な精度の伸びしろがあることが確認できた。

これまでもIPMに則りトラップを用いた目視巡回による防除計画・効果測定が行われてきました。この管理を徹底することにより消毒や清掃のタイミングを適切に把握しサーバーの不具合を未然に防いだり、衛生を維持し続けることが可能になります。
一方で今後人材の不足が顕著になっていくにつれ人は人にしかできない仕事に注力していくことが求められます。今回のようなAIをうまく活用し少しでも省人化していく試みがますます重要になります。
本実証では目視巡回や大量の動画像を人の目で見てモニタリングし防除計画や防除効果の測定を行っているという課題に対して、ホタルクスが保有するデータを用いてLAplustが開発するLA-Eyeにより「ゴキブリ検出AIモデル」を作成し、今後のIPMに則った管理手法の省力化が十分に可能であることを明らかにしました。

ホタルクス 担当部署のコメント

・経営管理本部経営戦略部
特に幼体は人の目でも見つけることが困難で、カウント作業になれないと目視でも判断に迷うものもあります。本技術実証を行う際に、「本当にAIで検出できるのか?」と感じていましたが、今回の技術実証を通して、慣れた人でなければ目視でも判断に迷いそうな画像が含まれていたにもかかわらず比較的少数学習データのみで検出に成功する、ということが確認できました。現状は業界のニーズを確かめ順を追って協議を進めていく段階にありますが、人材不足が顕著に現れるにつれて、今後必要となる技術と感じています。

*1
株式会社LAplust(ラプラス)
https://laplust.com/
LAplustは製造業/農業分野に対して生産現場を根底から支えるAIを開発します。
LAplustのミッションは「真の知能を実装し、社会活動を根底から支える」ことです。10年以上の動画像に特化したAIの開発経験とノウハウ、最新の画像AI関連の研究論文から学び得た本質的かつ実用的なAIアルゴリズムの目利きと利活用、複数のAIを組み合わせ維持/運用/更新をシームレスに実現する内製技術基盤(CTI:Core Tech Interface)を活用することで開発コスト・期間を最小化しお客様に最善の価値を「継続的に」提供します。

*2
ホタルクス株式会社
https://www.hotalux.com/
ビジネスや生活のさまざまなシーンを明るく快適な光で照らし、働く人と暮らす人の当たり前の日常を守り続けます。

*3
LA-Eye(エルエーアイ)
https://laplust.com/LA-Eye
画像解析AI構築ソフトウェアLA-Eye(エルエーアイ, 2023年9月リリース)は利用者の目的に合わせた画像解析AIを構築できます。お客様の課題に合わせた操作画面のカスタマイズやお客様ブランド(ロゴの変更等)での提供も可能です。画像解析AIの構築・現場導入において必要な業務の手間を大きく引き下げ、検証から運用までのトータルコストと時間を最小化します。

この記事をShareする