株式会社LAplust*_1は、長崎県農林技術開発センター*_2と家畜飼養衛生管理の適正化・省力化に向けたAI技術の活用を目的とした研究協定を令和6年9月4日(水)に締結しました。
両者は本協定を通して、畜舎内における野生動物及び家畜異常行動に係る解析動画・画像データを収集・選別し、解析ソフト(LAplust Eye)を用いたデータの学習・解析に取り組みます。
弊社は、アノテーションにおける教師データ作成方法または解析ソフト(LAplust Eye)利用の指導やサポート、解析結果の評価を担当します。
畜舎内に設置した定点カメラで撮影した野生動物の画像を解析した結果



画像内の野生動物(1枚目:イタチ、2枚目:ネズミ、3枚目:ブタ、ゴキブリ)をAIにより検出
本協定の背景や社会的な課題
鳥インフルエンザや豚熱などの家畜伝染病が発生した場合、畜舎内の全ての家畜を殺処分しなければならず、また、周辺畜舎にも出荷制限や移動制限がかかるなど、畜産業に与える経済的損失が大きくなります。さらに、卵や豚肉などの畜産物価格にも影響を与えるため社会的にも大きな影響を及ぼします。したがって、家畜伝染病の予防が畜産業において最大の課題となっています。
家畜伝染病は、菌やウイルスが人・モノ・野生動物を介して畜舎内に持ち込まれることが要因とされているため、飼養管理区域内に入る際には、専用の衣服や長靴への着脱や運搬車等の消毒を行います。また、野鳥や小動物の侵入防止のための防護柵・ネットの設置等を行って対策を講じている状況です。しかしながら、発生畜舎の疫学調査チームによって行われた調査結果によると、特に野生動物による感染の可能性が示唆されており、侵入防止対策の徹底が求められている。
そこで、畜舎内にカメラを設置し、その動画や画像をAIにより解析することで野生動物の侵入状況を把握し、リスクがある場合はアラートを発出するようなシステムを構築できないか、その可能性を調査検討します。
本連携の意義 ―産官協創による社会課題解決―
長崎県における農林技術開発の中心機関として120年以上の研究開発に裏付けされた長崎県農林技術開発センターの知見・データと目的に特化した画像解析AIの開発を得意とするLAplustの力を合わせて進めることでこれまで相互に不足していた知見・情報・技術を持ち寄り実現を目指す協創です。
民間企業や研究機関が手を取り合い産官連携によりオープンイノベーションを加速することで社会課題を解決することができる一つの成功事例として認知を広げ、今後の県内・県外の企業・研究機関相互の協創を増やしていくきっかけ示していきたいと思います。
*1 株式会社LAplust
https://laplust.com/
LAplustは製造業/農業分野に対して生産現場を根底から支えるAIを開発します。LAplust Eyeは課題に合わせてカスタマイズ,ODM提供可能な画像解析AI構築ツールです。画像解析AIの構築・現場導入におけるアノテーションの手間を大きく引き下げ、検証から運用までのトータルコストと時間を最小化します。

*2 長崎県農林技術開発センター
https://www.pref.nagasaki.jp/e-nourin/nougi/
農林技術開発センターは、明治31(1898)年に長崎県農事試験場が長崎市中川郷に創立されてから120年余り、近代化を目標にした黎明期から、食糧増産時代を経て、農林業の構造的変革期にある今日まで、一貫して農林業技術の開発と実用化に努め、長崎県における技術開発の中心機関として、地域農林業および関連産業の振興に貢献してきました。

