長崎県農林技術開発センター 畜産部門と、牛の代謝プロファイルテストの結果の解釈をAIで自動化する技術実証を実施

株式会社LAplust(ラプラス)*1(本社:長崎県長崎市、代表取締役社長 田中 宏樹、以下、LAplust)は、長崎県農林技術開発センター*2 畜産部門と協議を重ね、2024年1月28日に、牛の代謝プロファイルテスト(MPT)の結果の解釈をAIで自動化する技術実証(PoC)を実施しました。

取り組みの背景

繁殖牛は、分娩からおよそ100日以内に再び妊娠できる状態に整えることが理想とされています。そのためには日々の飼養管理で体の状態を把握し、早めに手を打つことが大切です。

体の状態を知る方法のひとつが、血液検査の結果から栄養や代謝の状態を評価する代謝プロファイルテストです。しかし、採血した血液を検査機関に送ってから結果が出るまでに1.5〜2か月ほどかかることがあり、結果を待つ間に種付けに適した時期を逃してしまう場合があります。

さらに、検査の結果を読み解いて所見をまとめ、飼養管理で気をつけるポイントとして生産者に伝えるには、獣医師の専門的な知見と時間が必要です。多くの牛を少ない人数で管理する現場では、その負担も大きくなっています。

技術実証の内容

本技術実証では、長崎県農林技術開発センターがこれまでに実施した牛群の血液検査の結果と、獣医師による所見のレポートをLAplustが受け取り、そのうち一部の検査結果を使って、AIが所見と飼養管理のポイントを作成する仕組みを試作しました(新たな採血は行っていません)。

  1. 獣医師のレポートをもとに、判定のルール(「○○と△△が高い」「□□が低い」など)を整理する
  2. ルールに当てはまる検査結果について、AIが根拠となる説明を作成する
  3. 根拠の説明をもとに、AIが所見の文章を作成する
  4. 所見をもとに、AIが飼養管理のポイントをまとめる

1回の指示で1つの答えを出し、その結果を次の段階に渡す構成にすることで、獣医師の判断の筋道に沿った、根拠をたどれる出力を目指しました。

なお、本技術実証で試したのは、既存の検査結果から所見と飼養管理のポイントを作成する仕組みまでです。作成した結果の妥当性の評価は行っておらず、今後の課題としています。

今後の構想(2026年11月追記)

LAplustは、この仕組みを生産者が日々の管理で使える形にすることを構想しています。牛舎で測った血液の値を、インターネット上でAIが解析するLA-Cloudに送り、検査結果とAIのコメント(所見と飼養管理のポイント)をスマートフォンのアプリで確認できるようにすることで、結果を待たずに飼養管理を見直せることを目指します。

構想の図:農家が牛舎で牛の尾根部から採血して測った血液の値をアプリからLA-Cloudに送り、AIが作成した所見と飼養管理のポイントをスマートフォンのアプリで確認する

関連する取り組み(2026年11月追記)

LAplustと長崎県農林技術開発センターは、本技術実証のあと、家畜飼養衛生管理の適正化・省力化に向けたAI技術の活用を目的とした研究協定を、令和6年9月4日に締結しました。
長崎県農林技術開発センターとの研究協定の締結について

*1 株式会社LAplust
https://laplust.com/
LAplustは、動画・画像解析に特化した機械学習/深層学習の研究開発を行い、製造業と農業の現場の課題を解決するプロダクトとして社会実装しています。

*2 長崎県農林技術開発センター
https://www.pref.nagasaki.jp/e-nourin/nougi/
明治31(1898)年に長崎県農事試験場として創立されてから120年余り、長崎県における農林業の技術開発の中心機関として、地域農林業および関連産業の振興に貢献しています。

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